たろいもは召喚酔いに影響されない

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【備忘録】オフライン環境へVS2015+MySQLのASP.NET MVC4環境構築 第1回:インストール

 初めての方は、はじめまして。再びご覧いただいた方はこんにちは。たろいもです。

 先にお伝えしておきますが、本記事は備忘録としての側面が強いです。

 約1年前、諸々の事情により、オフライン環境にて、Visual Studio 2015 Express EditionとMySQLを使用した、ASP.NET MVCの開発環境を構築しました。

 オフライン環境かつ、データベースにMySQLを使うということで、多少ニッチ要素があるためか、構築には少々てこずりました。ということで、一連の流れと、その手順を用いた理由など、覚書としてここに記載します。

※環境構築するオフライン端末とは別に、インターネットに接続できる端末が存在することが前提です

※途中1か所のみ、オンラインを用いる部分があります。Visual Studio 2015 のライセンス認証だけはオフラインではできませんでした

 第1回目の内容はこの通り

 第1回目としては、各ソフトウェアのインストールについて記載します。

 「えー、とりあえず大事なとこだけ教えてよ~」と言う方、たぶん、Visual Studio 2015のオフライン用インストーラ作るところが一番盛り上がるところです。(身も蓋もない)

構築環境

 以下、構築端末のざっくりスペックです。

 OS:Microsoft Windows 10 64bit

 CPU:Core i7-7700 3.60GHz

 メモリ:32GB

 記憶装置:SSD 250GB(メイン)、HDD 1TB

インストールの順序

 以下の順番でソフトウェアのインストールを行いました。

  1. Visual Studio 2015 Express Edition
    1. Visual Studio 2015 Express Edition for Web インストール
    2. Nuget更新
    3. .Net Framework 4.6.2 Developer Pack インストール
  2. MySQL
    1. MySQL Community Server インストール
    2. MySQL Workbench インストール
    3. MySQL for VisualStudio インストール

 Nugetの更新を行ったのは、VS2015に付属していたNugetでは、一部パッケージのインストール時にエラーが発生したためです。

 VS2015 -> MySQL の順なのは、「MySQL for VisualStudio」は、VisualStudioが既にインストールされていることが条件であるためです。

Express 2015 for Web

 Expressとしては最後となるVisual Studio 2015。たろいもも当初は最新のVisual Studio 2017(2018年時点)にしようと思っていたのですが、2017にはCommunityしかありません。Communityのライセンス内容を確認した結果、今回の案件には不適切であったため、Expressが使える2015を選定しました。

1.インストーラ入手

 さて、ここで問題になるのは、今回の環境構築はオフライン端末であるということです。ネットで調べてみると、ISOを入手するであるとか、さまざまな情報がありますが、たろいもはオンラインインストーラを用いてインストーラ全体をダウンロードするという方法を実施しました。

 とりあえずやり方を。

 まずはインターネットに接続できる端末にて、オンラインインストーラを入手します。2019年10月現在でも、「Visual Studio Express - 今すぐ Visual Studio Community」で、Visual Studio 2015のインストーラを入手できます。画面下方にある「Express 2015 for Web」のリンクからダウンロードページへ遷移し、オンラインインストーラを入手してください。

Microsoft様のサイト構成は割と頻繁に変わるため、上記リンクが使用不可となっている可能性があります

 「ja_visual_studio_express_2015_for_web_x86_x64_web_installer_6846467.exe」というファイルが入手できたでしょうか。さて、このオンラインインストーラですが、実行すると

  1. インストーラ全体をダウンロード(Windowsのテンポラリなどに保存)
  2. ダウンロードしたインストーラを実行

 という手順を実施します。つまり、ただ実行するだけでも、インストーラ全体のダウンロードは裏側でやられているわけです。そして「どうせダウンロードするならフォルダ指定させてよ」ということで、例えばこんな感じに実行ファイルとフォルダを配置しまして、

f:id:dicen01:20191009212517p:plain

 このフォルダ階層で、下のコマンドを実行します。

ja_visual_studio_express_2015_for_web_x86_x64_web_installer_6846467.exe /layout ./FowWebDownload

 インストーラ実行ファイルの第一引数として「/layout」、第二引数として保存先フォルダの相対パス「/layout」を指定することで、「インストーラ全体のダウンロード」のみを実施します。第二引数はそのダウンロード先を指定しています。

 もしコマンドプロンプト開いて、上のコマンド打ち込んだりするのが面倒なら、

ja_visual_studio_express_2015_for_web_x86_x64_web_installer_6846467.exe /layout ./FowWebDownload
pause

 こんな感じでbatファイル作成して、

f:id:dicen01:20191009212522p:plain

 フォルダから実行してしまっても良いです。

 インストーラ全体は6GB以上ありますので、それだけのHD容量を空けておいてください。

2.インストール

 無事ダウンロードが完了しましたら、インターネットに接続できる端末からオフライン端末へ、ダウンロードしたインストーラ全体をコピーしてください。

f:id:dicen01:20191009212525p:plain

 ダウンロードフォルダ内にある「vns_full.exe」を実行すると、インストールが開始します。

f:id:dicen01:20191009212529p:plain

 既に「For Desktop」などをインストールしたことがある、と言うことでもない限りは、「再起動」が必要になるかと思います。

3.製品の登録

 インストールしたExpress 2015 for Webですが、初回起動時に「製品の登録」のためのサインインを聞いてきます。とりあえずスキップできてしまうのですが、「製品の登録」をしないと試用期間扱いになりまして、30日間の制限が付きます。

f:id:dicen01:20191010213944p:plain

 [ヘルプ]-[製品の登録]でも確認できます。

 無料で作れるMicrosoftのアカウントを登録し、サインインしてやるだけで解決なのですが、オフラインであるが故に、サインインできません

 あれこれ調べてもこれだけは回避できず、仕方なくスマートフォンからUSBテザリングでネットワークに接続しました

Nuget更新

 Visual Studio 2015初期状態のNugetだと、MySQL回りのパッケージインストールでエラーを出す場合がありました。ので、Nugetを更新しておきます。

 NuGet Package Managerから、「Nuget.Tools.vsix」を入手します。

 この「Nuget.Tools.vsix」は、管理者として実行してやる必要があります。しかしこのままでは「管理者として実行」できませんので、コマンドプロンプトを管理者実行し、そこから起動します。

f:id:dicen01:20191009212534p:plain

.Net Framework 4.6.2 Developer Pack

 Windows10では、「.Net Framework」は4.6.2以降が標準で搭載されていますが、Visual Studio 2015では初期状態で4.6.2を選択することが出来ません。

f:id:dicen01:20191009212546p:plain

 「.Net Framework 4.6.2 Developer Pack」を適用することで、選択できるようになります。

 Microsoft.NET Framework 4.6.2 開発者のパックおよび言語パック、ここの中段辺りにあるリンクからダウンロードページへ移動し、以下の2ファイルを入手してください。

  1. 「NDP462-DevPack-KB3151934-ENU.exe」

  2. 「NDP462-DevPack-KB3151934-JPN.exe」

 この2ファイルですが、必ず1->2の順で実行してください。これを適用することで、「.Net Framework 4.6.2」を選択可能となります。

f:id:dicen01:20191009212550p:plain

MySQL

 MySQLを設定するにあたり、たろいもはMySQLのサイトから以下3つのファイルをダウンロードしました。

  1. MySQL Community Server 8.0.12
  2. MySQL Workbench 8.0.13
  3. MySQL for VisualStudio 1.2.8

 Community Serverには、Workbenchが含まれるのですが、Workbench 8.0.12には、「一定時間経過するとSQL実行結果が表示されなくなる」というバグがあり、別途8.0.13をインストールしました。

 え、Communityも8.0.13を入れればよかったのにって? だって既に8.0.12で開発勧めちゃってたんだもの。今更DB本体変えたくなかったし・・・・・・。

1.MySQL Community Server

 さて、このCommunity Serverですが、ServerやらWorkbenchやらShellやらConnectorやら、いろいろとオールインワンなパッケージです。そのため、端末の状況によりインストール時のウイザード画面が割と変わります。

 とりあえずここでは、肝になりそうなサーバー設定辺りの画面を記載しておきます。

f:id:dicen01:20191009212553p:plain

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f:id:dicen01:20191009212600p:plain

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 InnoDB Clusterは使用せず、認証も「Legacy」を選択しました。2015年相当の.Netとの連携でトラブりたくないなぁと、すみません、日和ました。

2.MySQL Workbench

 上でも書きましたが、Community 8.0.12 に付属したWorkbench 8.0.12 には、使用上で不便を強いられるバグがあり、後追いでWorkbench 8.0.13 をインストールしました。

 現在Communityの最新バージョンは8.0.17(2019年10月現在)のようです。同梱のWorkbenchに問題が無ければ、あえて別途Workbenchをインストールする必要はありません。

 こちらは別段設定などは無く・・・・・・、

f:id:dicen01:20191009212616p:plain

 完全インストールを選んだくらいでしょうか。

 Workbenchは安全対策として、初期状態では「UpdateやDeleteは、Whereに主キーを含まない場合には実行不可」という設定になっています。

 以下のように、[Edit]-[Preferences...]で表示される[Workbench Preferences]で設定が変更できます。

f:id:dicen01:20191009212620p:plain

3.MySQL for VisualStudio

 for VisualStudioのインストールは、必ずVisual Studio 2015と、MySQLのインストール後に行いましょう。

 こちらも特に設定はなく、

f:id:dicen01:20191009212625p:plain

 「Typical」もしくは「Complete」を選択しておけば良いかと。

おしまい

 なんとまぁ、第1回目はインストールだけで終わってしまいました。その上インストールの説明してるだけの割に長い。このシリーズ、どれだけの長さになるんでしょうかね・・・・・・。できるだけ簡潔になるように頑張ります。